マーメイド。

ママちゃんのひとりごと

2017年6月の朝のことをここに記す。





小学校に入学してはや2ヶ月を過ぎた今朝  

ゆうちゃんが言った。


「ママ、録画してあるマーメイドのやつ、もう見ないから全部消していいよ。」






マーメイドのやつ、とは

ゆうちゃんが大好きだったテレビアニメのことだ。



2015年に放送されていた、プリンセスを目指した女の子たちが悪と戦うアニメで

ゆうちゃんはその中で
海のプリンセス、キュアマーメイドが大好きだった。



当時4歳のゆうちゃんは

その海のプリンセスに会いたくて

その海のプリンセスになりたくて

毎週かかさず観ていた。



1年間続いたアニメの、その全ての回を録画して

それを何度も何度も繰り返し観ていた。




4歳だったゆうちゃんは


夏祭りで訪れた露店では

「ママ!マーメイドがある!」と、マーメイドのお面を必ず欲しがった。


綿菓子を買うときも  風船も

必ずマーメイドのものを選んだ。

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4歳のお誕生日にはキュアマーメイドの変身グッズをおねだりして



私たち親からと、祖父母から

念願だったコスチュームと変身パヒューム(香水を振りかけて変身するヒロインたちでした)をもらった。


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ヒーローショーにも何度も遊びに行った。


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幼稚園のハロウィン仮装大会の日も

休日に行ったUSJにも


ゆうちゃんは

うきうきでキュアマーメイドに変身して行った。


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周りの人たちに

「お姫様みたいでかわいいね」と声をかけてもらうたび

嬉しそうに  ニコニコ  ニコニコしていた。


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4歳のゆうちゃんの将来の夢は

もちろん「マーメイドになること」だった。




マーメイドになりたくて  髪の毛をずっと伸ばしていた。



どんな髪型にする?と聞くと、毎朝決まって

「みなみさん!」

と、キュアマーメイドの変身前の女の子の名前を挙げた。




彼女に出会って


ゆうちゃんは海を好きになった。

イルカを好きになった。

水色を好きになった。




でも  1年間の放送が終わり


世界の悪を倒すのはプリンセスたちではなく

魔法使いに変わった。





プリンセスプリキュアが終わると知ったゆうちゃんは

「新しいのは見ない!」

と、頑なほどに一途だった。



それでも  

大好きで大好きで大好きだったマーメイドに会いたくて

ゆうちゃんはテレビでの放送が終わったその後も


録画していたものを

何度も何度も繰り返し観ていた。










でも  いつからだろう


ゆうちゃんは  マーメイド と言わなくなった。





卒園した幼稚園の卒園アルバムのアンケートでは

大きくなったら何になりたいですか?の質問に

「ケーキ屋さん」と答えていた。



他にも

「警察官」や「おかあさん」と答えることも増えた。



ふと

「マーメイドになるのはもうやめちゃったの?」

と  聞くと



「。。。うん。

だって  大人でマーメイドの人  いないでしょう?」

と。




「そう?

もしかしたらママたちが気付いていないだけで

世界のどこかにはマーメイド、本当にいるかもしれないよ?」


と言ったものの、




「うーん。そうなんだけど。。。」


としか答えないゆうちゃんに


それ以上は言わなかった。






「マーメイドにはなれない。」

そう  気付いたのだろうか。


それとも、単に興味がなくなったのだろうか。



子どもが持っているキラキラした夢と現実が一緒に生きているあの時間。


ゆうちゃんの小さな胸の中で  ゆうちゃんなりに色んなことに気が付いてきたのかもしれない。


そんな少しずつ大人の感覚になりかけているゆうちゃんを見て  

いつまでも子どものままではないのだと

彼女なりに素敵に成長しているのだと思う反面



その姿がほんの少しさみしいような切ないような  

そんな気持ちにもなった。





お祭りでもらったマーメイドの風船は

秋になる前にしぼんだ。


毎日のように着たがったコスチュームは

押入れの中からしばらく出していない。


5歳の時に買ったマーメイドの浮き輪は  

去年からもう小さくて入らない。




そして


今朝ゆうちゃんが言った。



「ママ、録画してあるマーメイドのやつ、もう見ないから全部消していいよ。

容量ないし、消さないと他のやつ、新しく録れないでしょ?」


と。




「そう。じゃあ消しておくね。」



そう答えて  私は思う。




あぁ。またここにもあったのだな。  と。





子どもたちを学校や幼稚園へ見送ったあと

テレビの前に座り  録画番組を開く。




最近のものから遡ってコマを送ると


ある時期から画面がプリンセスプリキュアのものばかりになる。



他の番組は消せても

「これだけは絶対、ぜーーーったい!消しちゃダメだからね!」と

ゆうちゃんに再三お願いされて

残し続けてきたからだ。




–あぁ、これもよく観たな。

–これも。

–これも。

–変身ポーズ、ゆうちゃん上手だったな。



そんなことを思いながら


ひとつ、ひとつ、選んで、消していく。




テレビのリモコンを握り  

久しぶりに見る画面の中のマーメイドが


涙で次第にゆらゆらと揺れる。



まるで  目の前が海の中のよう。


私は  その小さな小さな海の中で  リモコンの手を止める。






悲しいのではない。


この悲しみではない涙を

私は今まで何度も味わってきている。




子どもたちが成長する度に。

何度も。
何度も。


子どもの成長が誇らしくて、切なくて、涙が溢れでるこの感情に


私はまだ言葉をつけることが出来ないでいる。





悲しいのではない。



ゆうちゃんとのあの日々を思い出すと

胸がいっぱいになるのだ。



ことあるごとに「マーメイド!」と言っていたあの時のゆうちゃんの想いが


まぎれもなくここにあるのだ。




そしてゆうちゃんと生きた

子どもと生きるこの日々は


なんて尊くて愛おしい毎日なのだろうと思うのだ。



特別な出来事なんて何もない。

でも  そのすべてが私にとっては特別なのだと痛感する。





そして思うのだ。


子どもが好きになるキャラクターは

単に  マスコットのようなものではない。



『その時』の子どもと一緒に生きているのだ。



あの子が夢中になり

その背中を追いかけ

ポーズや台詞を研究した  あのキャラクターたち。




あの時のゆうちゃんの夢が

あの時のゆうちゃんの唄が

あの時のゆうちゃんのキラキラが 


「この世界」の中にたくさん詰め込まれているのだ。




そのまばゆさに

その美しさに

その壮大さに

その純粋さに触れているようで



私は  こうしていつも


張り裂けそうなくらいに  


胸がいっぱいになるのだ。





ゆうちゃんのかけがえのないあの時を一緒に生きてくれ


そして、親である私をも

子どもと一緒に童心に還してくれた海のプリンセスに


心から感謝を伝えたくなる。






ゆうちゃんのそばに
ずっといてくれてありがとう。


どんな時も
ゆうちゃんを見守っていてくれてありがとう。


ゆうちゃんは  

大人に向かって歩いているようです。



あなたから得た色んな景色を胸にしまって

少しずつ。少しずつ。




ゆうちゃんはこれから

大切なものを新たに見つけては、もう観なくなった古いものを消し

体の大きさに合わせて浮き輪を買い換えるでしよう。



もうゆうちゃんはマーメイドのコスチュームを着ないだろうし

お面もかぶらないだろうけれど



でも

あなたと一緒に見た夢は  忘れないんじゃないかな。




ゆうちゃんは  大人になってマーメイドにはならないかもしれないけれど


でも  あなたに憧れて  海や水色に夢中になった世界があったことを  


忘れないんじゃないかな。






追伸


録画番組。全部は消せませんでした。

ゆうちゃんが大好きだったマーメイドがメインの回の  あの話。


あの1話だけ  残しておきます。


消せないのです。





いつか、ゆうちゃんが大人になったら

ミルクティーでも飲んで  笑いながら


「プリンセスマーメイド」を追いかけて過ごしたあの日のゆうちゃんのことを


語り合いたいと思います。


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成長するって
嬉しい。

成長するって
切ない。

成長するって
誇らしい。

成長するって
奇跡。



成長するって

成長するって
愛おしい。



青も白も黒も存在する。

相反する気持ちが美しい程に混在する。


母親になって見る景色は

そんな海の色のような毎日です。



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この景色を見せてくれる子どもたちへ。

ありがとう。


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みなさんとお話ができるのを
楽しみにしてます〜(*^^*)







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LICO

作家。ブロガー。
保護者のみならず保育士・幼稚園教諭・学校教師・児童養護施設職員など、保育・養育のプロが相談に訪れる「心の土台を育む子育てアドバイザー」。

問題行動を繰り返した自身の幼少期の経験を基に、研究模索し構築された育児法を軸として「子どもたちに【愛されている実感】を」を信念とし、子どもたちと穏やかに向き合うためのヒントや、我が家の日々の出来事などをブログで紹介しています。

私の願いは、
今日の子どもたちがたくさん愛されること。

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