人の脳は、相手にも同じことを求めがちです。
「自分が我慢している分」
「自分が頑張った分」
相手にも同じくらい我慢を求めたくなったり
相手にも同じくらい頑張ってほしくなったりします。
子育て、特に新生児のお世話の時に多くのママが「察して動いて欲しい」「言われなくても自分で気づいて動いてほしい」と、パパに対して思うのは
きっと
自分が察しまくって毎日を過ごしているから。
自分が言われなくても気づかなくてはならない毎日を過ごしているから。
察することがもともと得意な女性です。
その感覚がさらに研ぎ澄まされている期間が新生児期でしょう。
物言わぬ赤ちゃん。
ただ泣くだけの赤ちゃん。
こちらが察しないと、気づかないと
赤ちゃんは死んでしまうから
ママたちは言葉を使ったコミュニケーションを取れない赤ちゃんの様子だけを頼りに
察してオムツをかえ
察しておっぱい をあげ
察して抱っこをして
察して目が覚めます。
夜中何時であろうと 察して目が覚めるのです。
そのうち、赤ちゃんの泣き声を聞いて、おっぱいまで察して出てくるようになります。
「一日中、体中が察することしかしてない」と言っても過言ではありません。
そんなこの時期は
ママはパパに察して欲しいことが本当にたくさんあります。
「言えばいい」
「言わなきゃ伝わらない」
確かにその通り。
理屈では本当にそうなんです。
言わなきゃ、伝わらないんです。
。。。そうなんですけど、それが出来ないのです。
それだけ、
自分が察することに 全身・全時間・全エネルギー を使っている時だから
自分も同じようにわかってもらいたい思いが溢れちゃいやすい時期なんだと思います。
だって、もう本当に、赤ちゃんと自分を支える以外の余分なエネルギーなんて
絞っても出てこないから。
新生児期は
誰かに伝えるエネルギーも失っちゃうくらいに
小さな命を察するエネルギーに全てを持っていかれている特別な時期です。
もちろん言葉にして共有しなくちゃいけないことは頭では分かっているし、そうしたいとたくさんのママも思っているはず。
でも。
それでも。
その伝えるエネルギーが新生児期には枯渇してしまいやすいことも
パパや、ママを支える周りの人には知っていてもらえたら嬉しい。
「あれをやってもらいたい」
「助けて欲しい」
「もう限界」
そんな自分の気持ちをパパや周りに伝えるエネルギーが、もう残ってないのです。
だから、ママやパパには、赤ちゃんが生まれる前に
産後はママは察するエネルギーに全神経・全体力を使うから、伝えるエネルギーが枯渇しやすいことを共有し、
産後、ママはパパに何をしてもらいたいのかを産前から話し合ったり
ママの伝えるエネルギーが枯渇しかけた時のサインを共有することをオススメします。
例えば
「ママって怒ると目線合わないよね」
「私って不満があると無口になりやすいよね」
のように、伝えたいことはあるのにそれを伝えるエネルギーが残ってないんだなということが周りから察することができるような材料をみんなで共有してみてください。
これをすると、ママ自身も自分の無意識にとっている態度から自分の本心に気づくことができるキッカケになったり
パパとその情報を共有することで、言葉にするエネルギーは残ってなくても、パパに「あれ、もしかして何か言いたいことがあるのかな」と気づいてもらえるキッカケを得てもらいやすくなるはずです。
もちろん、産後も言葉でのコミュニケーションは大切だし
お互いに相手を思いやる気持ちも決して忘れてはなりません。
ママも大変だし、パパだって頑張ってくれている。
「ありがとう」「助かるよ」「あなたがいてよかった」と
相手の存在に感謝する気持ちは、是非言葉とともに伝えましょう。
でも、正直。
もうそれ以前に、
ママは赤ちゃんを守るために、自分のエネルギーを全放出していて
本人の意思や努力とは関係なく伝えるエネルギーが枯渇してしまいやすいことを
どうか多くの人に知ってもらえたらと思っています。
産後、ただでさえ身体中あちこち伸びて縮んで切れて切られて痛みが絶えないママが
睡眠不足と慣れない子育ての中で誰にも分かってもらえない寂しさを抱えなくて済むよう
そして、「言えばいいって分かってるのになぜか伝えられない」のは
あなたの努力が足りないからではないことを
ママ、パパ、ママをサポートする職業の方みなさんに届きますようにと、願っています。