この夏、お腹にいた11週の赤ちゃんとお別れをしました。
→お久しぶりです。←
自分が経験したこと、感じたことを備忘録も兼ねて。
「流産のこと」のカテゴリーでこれまでの記事を読むことができます。
ゆっくり、ゆっくりの更新になってしまい、記事が飛び飛びですみません。
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朝一番の診察。
事前に説明をされていた通り、必要な物を持ち病院に付いた時には 他に待合室にいたのは入院中の産後のママかな? 。。。パジャマの人が2人ほど。
健診の時と同じように体温と血圧を測り
しばらくパパちんと待合室で待っていると名前を呼ばれ、診察室へ。
パパちんとは「行ってくるね」と、いつものように握手を交わして、ここでバイバイ。
診察室で先生に今朝までに出血がなかったか、などの簡単な問診を受けて
「ではあちらの部屋で準備をして、そのままその先の部屋に進んで下さい。
着替える時には下着も全部外して、術後に必要な生理用ナプキンとショーツのみ、看護士に渡して下さい。」
と言う先生の指差す方を向くと
今までの健診では(トウくんもこの病院で里帰りまで通っていたので本当に何回も来ていたのに)、そこにあることにすら気がつかなかった扉が、診察室の中にありました。
その扉を開けて中に入ると
そこは小さな部屋になっていて
そこに、手術着と、荷物を入れるカゴが。
手術着を見て
「手術着って、ピンクなんだな。。。」
なんてことをぼんやり思いながら
私のいる部屋と壁一枚隔てた向こう側で
掻爬手術をする為の準備だろうか。。。
カチャカチャ、ガチャガチャ、バタバタと
数人の看護士さんたちの忙しそうな、慌ただしい音が聞こえてきて
この時急激に
『本当にこれでもう最後なんだ』
という言葉にならない思いが湧き上がり
ピンク色の手術着を眺めながら
喉の奥がどんどん細く、痛く、狭まっていくような感覚になりました。
『目が覚めたら、このツワリも無くなるのかな。。。』
と、この瞬間まで続いているツワリが、あと何時間後かには私の中から消えてしまうことを思うと
ツワリがあることすら有り難くて愛おしくて仕方なくなって、ここでも涙をこらえるのに必死になりました。
そんな時にも、隣の処置室では慌ただしく準備をする音がずっと続いていて
何かを急いでいるかのようなそのザクザクした音に
なんだかこちらまで何かを急かされているような…そんな無言のプレッシャーのようなものを感じてしまったのですが
私が手術着を手に取り、身につけていたものを全て外して着替え始めたその時
「みなさん、そんなに慌てなくていいから。
ゆっくり、準備をしてください。」
という、落ち着いた先生の声が聞こえてきました。
自分の身体の中から自分の赤ちゃんを出さなければならない処置を
「時間がない」
「この処置にそんなに時間をかけてられない」
もし、そんな理由で事務的にこなされたら、きっと悲しくなったと思います。
先生や看護師さんにとっては、
きっと、何千、何万回目かの、この処置。
でも、私にとっては初めての、
何もかもが始めての、不安で、怖くて、さみしい処置。
でも、
先生はちゃんと私の、この子との最期のこの時間を大切に考えてくれている。
先生が看護士さんたちに投げかけるその言葉は
冷たい器具の音が響く中で確かに温度を持っているように感じられて
手術着の両袖に手を通しながら
なんだかほんの少し、救われる思いがしました。
まだまだ甘えん坊で膝に乗りたがる
もちもちムチムチのトウくん。
「ママのおひざ、あったかいね♡」と喜ぶトウくんだけど
あなたが乗るとあったかいのはママも一緒。
子どもといると、対になり生まれるその暖かさが、
何だかとても嬉しくて
とても好き。